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2011年1月22日土曜日

影の現象学



最近面白い本を読んだので紹介です。
といっても昔から持っていたのですが、なかなか順番が回ってこず一昨日読み終えました。

「影」というテーマで書かれていますが、僕がよく言う影とは性格が異なります。
著者の河合隼雄は、心理学者でもあり、心理療法家です。
この本は、人間の持つ「影」について書かれています。

人には意識と無意識があり、その二つの行動はイメージによってつながれているとあります。無意識な部分の中には、今まで自分が生きてきて切り捨てた部分の可能性があり、その部分が「影」として存在すると書かれていました。
無意識の中にも「影」のみならず「アニマ(アニムス)」といった異性像があり自我の投影として描かれます。

ユングの夢分析は有名ですが、無意識的な夢を分析の対象として、様々な夢の例を用いて無意識の部分を探っていきます。

そして、自分の「影」とどのように向き合うか、どのように調停するかが書かれています。

興味のある方は一度どうぞ。


「建築」の影について考えているため、タイトルのみで購入した感じは否めませんが、
すごく面白かったです。




そこで無理矢理建築につなげて考えると、いくつか最近見たことでボワボワっとしてたことが言葉になった気がしました。

いい日影は結構無意識的に出来るものなんだろうななんて思いました。
建築自体は、人の意識的に作られたものだし、可能とはいえども建築の影自体のコントロールは難しい。でも、建築は敷地内に収まっていても、影だけは敷地を飛び越えていってしまいます。
また、1年中縦横無尽に影は変形し、使われかたのシーンを想定しても断片的なものになったりします。また四季のある日本では、影の利用の仕方もグラデーショナルに変化していきます。

最近知ったジェフリー・バワという建築家はスリランカでリゾートホテルを多く手がけています。
スリランカは赤道も近く日本のような状況とは異なると思いますが、ゆったりとした敷地の中に実に多くの場所に設えがなされています。
日向の部分、日影の部分、キャノピー、廊下など様々な部分にです。
ホテルなので当然といえば当然なのですが、使われない飾りの椅子ではなくて、実に多様なベンチや机といったものが配置されています。
座れる場所を探すんじゃなく、座りたい場所を探すというのはいいなと感じました。

そういった影との調停方法も見ていて楽しいし、他の方法も探ってみたいと思います。



西沢立衛さんの熊本の駅前広場は、すごくきれいな影(陰)で好きなんだけど、
西沢さんと熊本で飲み会でご一緒させてもらったとき伺ったら、影についてはあんまり考えなかったってことでした。

んー無意識的。

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